2006年04月30日

映画評 『スターリングラード』 ジャン=ジャック・アノー監督

 
movie_enemyatthegates01.jpg

君は東部戦線の

「超」真実を知っているか!?

皆様おはようございます。
今回は、かつて見た後でうまく説明しきれないモヤモヤがたまったまま今日に至ってしまった本作品について、単に気が向いたというだけの理由で今さら掘り返してみたいと思います。

えー、全体的な説明はこちらをご参照ください。
この作品の観客層は、おおざっぱにいってジュード・ロウ愛好家と戦記マニアに分かれていたようですね。前者の皆様はそこそこ満足したみたいですが、問題は後者を中心とした硬派男性客です。「わけがわからない状態の新兵をいきなり突撃させて、退却してきたら即座に射殺!」という赤軍戦術のむちゃくちゃぶりがビシッと描かれていたオープニングこそ好調だったものの、その後延々と展開される三角関係メロドラマに歯がゆさを感じた、という感想が多く見受けられました。

うむ、確かに、いくら「極限状態の人間」を強調するようなシーンを配置しても、結局は廃墟で雑魚寝しながらの濃密ラブラブシーンが脳裏に焼きつく感じでしたし。いやー、あれでは、人類初の惑星間戦争といっても過言ではない規格外バトルだった独ソ戦を舞台にする意味がありませぬ。
まったく、スターリングラードというよりヌターリングラードと呼ぶにふさわしいねっとりした展開でございましたな(爆)

movie_enemyatthegates02.jpg 君たちちょっと油断しすぎだわよ。

ということもあって、戦記マニア業界では「日本公開タイトルが同名のドイツ映画『スターリングラード』の方が百万倍も良い!」という声も散見されますね。気持ちはわかりますが、そう内向的に愚痴を言ったところでジュード・ロウLOVEなお客さんたちが振り向いてくれるわけも無いので、個人的にはもうちょっと本作を素材として活かした形でストレス解消の道を探ってみたいと思います。

では、あえて本作の「最小限の問題」を指摘するとすればどこでしょうかね。個人的には、ラブストーリー仕立てそのものは別にいいとして、やはりヒロインである女性兵士ターニャ(レイチェル・ワイズ)が絵に描いたような美女なのがいかんのーと思います。あれがたとえばあき竹城だったらどうでしょう。

movie_enemyatthegates03.jpg movie_enemyatthegates04.jpg

ええ、こういうことをおおっぴらに書くといかにも各方面から批判されそうですが、しかし写真資料をみても現実はそういうものだったろうと思います。

皆様思い出してください。独ソ戦は、ありとあらゆる意味で極限状態だったのです。極限状態だから、客観的にはどうみてもあき竹城なのに、せっぱつまった主観の目にはレイチェル・ワイズに見えてしまうのですよ。そして、男の全てを賭けてあき竹城を奪い合うジュード・ロウとジョセフ・ファインズ........おおお、これは凄い! すごすぎる! なにやらヒエロニムス・ボスの悪夢絵画を思わせる情景ですな。独ソ戦の本質にグッと近づきました。でもってあのラブシーンも、主観世界と客観世界でまったく違う情景が並行展開する『宇宙船レッドドワーフ号』の現実崩壊ネタみたくなりそうで見ごたえ満点です。うおう、いっつぐれいと!!!

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うーむ、この点さえしっかり描いておけば、たとえ戦場での超ラブラブが作品テーマであっても、戦記マニアの圧倒的支持を受ける伝説的名画『 Cross of Iron 』とは別の観点から「東部戦線と人間の宿業」を見事に描ききる金字塔的傑作になったであろうに、実に実に残念であります。

あ、そういえばですね、戦記趣味系の男性観客の感想として、「冒頭の突撃シーンとレイチェル・ワイズのお尻だけが見どころ」というのがけっこうありましたが、個人的にそれは製作側の商業的な目論見にしっかり情動レベルで乗せられてしまっているように見えて、なんだかよろしくない気がします。もうその時点で映画全体に対し批判的な言辞を浴びせる資格を失っているというか。

ということで、同じお尻を気にするのならば、かつてテレ朝の日曜洋画劇場で『ターミネーター』を放映した際、製作側の意図とはまったく無関係に「んまー、なんて見事なお尻お尻お尻!!!」と3回連呼でシュワルツェネッガーの尻だけを絶賛していた淀川長治先生の解説、あれはじつに素晴らしかったです。

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やはりまがりなりにも東部戦線を語るならば、男子たるもの、少なくともこれぐらいの心意気がほしいものですね(爆)
 
posted by 桜樹ルイ16世 at 15:22| Comment(10) | TrackBack(8) | 映画・TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あき竹城と資料写真見ました!
爆笑モノです。

で、まだロシア上空なんですがー
続きはいつですかああああ
Posted by か〜の(ドイツ旅行記熱心な読者) at 2006年04月30日 18:08
おほほほ。お尻ね。

でも完璧なお尻のなにがいいんだろうね?振らないと意味がない!

ぶるぶるぶらぶら♪ (お尻ダンス)
Posted by マライ (単にマライである) at 2006年04月30日 20:44
あき竹城でも案外エロく仕上がるかもしれませんなー。古本屋でビニ本を発掘したときのようないやらしさがある気がする。
「宇宙船レッドドワーフ号」絶対見てみます!
Posted by dry_ray at 2006年04月30日 22:18
心優しき、桜樹ルイ16世様

 お名前は伊達じゃなかったのですね。(笑)
 レッドドワ−フ号は最高でした!
 確かNHKで放映していましたよね。
 レニングラ−ドからレッドドワ−フ号迄行くんですね〜。
 素晴らしい展開!抱腹絶倒!
Posted by RAICHI at 2006年05月01日 18:39
流石桜木閣下wwwwwwww
今回も笑わせて頂きましたw

しかしまぁ個人的にはジュード・ロウの背中からケツにかけての割れ目始まる線や、メガネきゅんの鼻筋からあごにかけての造形に大変に心引かれるものがあった訳でありまして、むしろそういった意味でこそメロ展開必須と申しましょうか、つまるところあれは是非とも腐女子の相方とともに腐観にて鑑賞するが吉であろうかと。
Posted by ぉ拓 at 2006年05月01日 21:08
ということで、桜樹嬢、私のブログの模型関係記事全てにコメントを付けておいて下さい。よろしこ。

ちなみに、淀川先生ですがそのシュワちゃんのお尻を賛美した時の解説の際に、全く映画ともシュワちゃんとも関係なく「私も満月の日などは血がたぎって、素っ裸で庭を走り回って、うおーとか叫びまくるんですねー」と、何が「私も」なのか判らない玉音を呈されていました。本当に偉大な方であり、人類は惜しい方を失いました。
Posted by 松千代 at 2006年05月03日 09:09
 しかし…あき竹城では…吾が映画「203高地」とオーバーラップが、という感じも致します。あの出征まえにどこか脱衣所かで云々という淫靡さがなんとも和風で○(笑)。
 独映スの方は、最初の義手に弾丸が当るところや、従軍司祭のスキンヘッドによるゲルマン振りがよろしいようで。
 まあ、おっしゃるとおり、極限状態でもできることはできるという印象が強く残る映画ですよね!
Posted by miyatto5 at 2006年05月03日 18:44
そういえば自分の記事、「狙撃」「スナイパー」など、ストーリーの中心となるキーワードがまったく抜けてますね。いかんですね。でも、そもそもこの映画がスターリングラード戦の本質とあんまし関係ないから気にしないでいいのかな?(爆)
 
Posted by 桜樹ルイ16世 at 2006年05月04日 23:46
 クラヒー!! この作品はやはり、原題の『Enemy at the gate』で語った方がすっきりしますね。『スターリングラード』という邦題がミリタリーマニア、戦争映画ファンに無用な期待感を与えてしまった結果の酷評ではないかと思われるフシがあります(笑)。私はそれほど酷い映画には感じませんでしたが、おそらく、それはケーニッヒ少佐を演じたエド・ハリスの存在感の大きさに起因すると思います。ちなみに、監督と脚本家がケーニッヒ少佐の経歴を探して、映画制作前にドイツに出かけたそうですが、ケーニッヒ少佐は実在したという一切の手がかりはなかったとか・・・。「わずかな事実」を基に壮大なドラマを作り上げた旧ソヴィエトの演出力は凄いものです。いったい、ワリーリ・ザイツェフの物語はどこまでが真実で、どこからが伝説なんでしょうね(苦笑)。

FORREST
Posted by FORREST at 2006年05月05日 17:36
大変遅くなりましたがTBありがとうございました。
見解はかなり違うのですが、あき竹城だの尻だのと大変素晴らしい感想で自分の笑いのツボにジャストミート(古)です。
自分の鑑賞眼の甘さを思い知ると共に、改めてこの様な鋭い視点から鑑賞したくなりました☆
にしてもやはり故・淀川先生は偉大な方ですな(w
Posted by m@coto at 2006年05月13日 00:07
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